病む地球
いま、地球はその環境を急激に変化させつつ有り、そこに住む人類を含む全ての生命体に大きな影響を 与えようとしています。その中で最も懸念されるのが温暖化と酸性雨です。

◆なぜ温暖化するのか
地球の温度は太陽からの、日射熱と地球自体が宇宙に向けて 放出する熱とのバランスによって定まります。しかし、大気中には 地表面から放射された熱を吸収する温室効果ガスが有ります。 この温室効果ガスといわれる二酸化炭素 メタンフロンなどがこのまま増え続けていくと、 日射に加えて、これらが吸収した熱の一部が地表面に放射されて地表温度が高くなります。

◆温暖化が進むとどうなるのか
気温上昇により干ばつが起きたり、さらに地球の平均気温が1.5〜3.5度上昇した場合 北極や南極の氷が溶け、海水の膨張により海面が20〜110センチ上昇し、低地が水びたしになる恐れがあり、生態系や農業に大きな影響をもたらします。



◆なぜ酸性雨ができるのか
工場で石炭や石油を燃やしたり、自動車がガソリンを使ったりすると硫黄酸化物窒素酸化物 などの酸性物質が大気中に放出されます。 これらの物質が雨の中に溶け込み、酸性の雨となって地上に降ってきます。これが酸性雨です。

◆どのような被害が出るのか
湖沼などに降った酸性雨は魚など生態系を破壊し、森林に降った酸性雨は樹木の成長を抑え、枯死させると言われます。さらに大理石、青銅などの歴史的な建造物や石像などにも悪影響を与えます。




さらに深まる環境汚染

オゾン層の破壊

大気中に放出されたフロンガスが成層圏上空にあるオゾン層を壊していきます。オゾン層が減ると地表に達する有害な紫外線が増加し、皮膚ガンや白内障の患者などが増え海洋生態系の基礎となる動植物ブランクトンに致命的な打撃を与えるほか、穀物など農業生産量の減少など悪影響を与えます。

増加する砂漠

砂漠化、または砂漠のような荒廃した土地の面積は、毎年600f(四国と九州を合わせた面積)の割合で増加し続けています。 原因としては草地の再生能力を超えた家畜放牧や薪炭材の過剰な採取などによって起こると考えられます。

熱帯林の減少

熱帯林は、商業材の伐採、焼き畑、薪などの採取によって毎年本州の約半分に相当する面積(1.130万ff)が減少しています。熱帯林の減少は野生生物の絶滅や洪水、土壌の流出、二酸化炭素の増加による温暖化など、地球的規模で影響を与えます。

開発途上国の公害問題

中国、韓国、アセアン諸国、中南米などの開発途上国では、人口の増大と都市への過度の集中にともない急速な工業化を進める中で、大気汚染や水質汚濁などの公害問題が発生しています。